「ご逝去後の法的手続きについて詳しく知りたい」
「納骨までの手続きがどうなるのか不明」
「葬儀後の手続きについて情報が欲しい」
この記事では、ご逝去から納骨までに必要な法的手続きと、葬儀後の手続きについて詳しく解説します。
ご逝去後の法的手続きや納骨までの手続きに関して不安を抱える方のための情報となります。葬儀後に行うべき手続きや注意すべき点についても具体的にお伝えします。
適切な法的手続きと葬儀後の手続きを理解し、ご逝去から納骨までの手続きを、スムーズに進めましょう。
ご逝去から納骨までにすべき法的な手続き
このページでは、ご逝去から、葬儀、納骨、さらに葬儀の会葬御礼や香典返しについてご説明しています。
ご逝去から納骨までにすべき、全般的な法的手続き
ご逝去から納骨までの期間には、以下のような法的な手続きが必要となります。
- 死亡届の提出: まず、ご逝去が確認されたら、地方自治体の役所にて死亡届を提出する必要があります。その際、死亡診断書が必要になります。死亡届には、故人の氏名、生年月日、死亡日時、死亡原因などの情報が含まれます。
- 葬儀の手配: 死亡後、葬儀を行う必要があります。葬儀の形式や内容は家族や故人の意向によって異なりますが、葬儀社や寺院と連絡を取り、葬儀の手配を進めることが重要です。
- 遺産相続手続き: 故人が遺した財産については、遺産相続手続きが必要になります。これには、遺言書の有無によって異なる場合がありますが、相続人の確定や遺産分割の手続きが含まれます。
- 納骨の手続き: 最終的には、故人の遺骨を納骨するための手続きが必要となります。これには、納骨先の墓地や霊園との連絡、納骨証明書の取得などが含まれます。
まず、死亡診断書が必要
※死亡届と死亡診断書が1枚の用紙にセットになっています
死亡届を提出するためには、死亡診断書が必要です。死亡診断書は、医師によって発行される書類であり、故人の死亡原因や死亡日時を記載します。
以下は、死亡診断書に含まれる情報の一般的な例です。
- 死亡原因: 死亡診断書には、故人が亡くなった原因が詳細に記載されます。例えば、具体的な疾患や外傷、その他の要因などが示されます。
- 死亡日時: 故人の死亡が確認された日時が明記されます。これは、死亡届を提出する際に必要な情報です。
- 発行医師の署名と印鑑: 死亡診断書は、医師によって発行されます。医師の署名と印鑑が診断書に記載され、信頼性を確保します。
死亡診断書は、死亡が確定した後、通常は担当医師や病院から提供されます。これは死亡届を提出する際に必要な公的な書類であり、地方自治体の役所に提出することによって死亡が届けられます。
重要な点として、死亡診断書の発行は医師の責任であり、診断書の正確性と信頼性を確保するために医療専門知識と経験が必要です。
葬儀の手配:葬儀社や寺院と連絡を取ります
葬儀の準備に取り掛かるために、葬儀社に葬儀の依頼をします。下記のように、火葬をするには死亡届の際に交付される火葬許可証が必要になります。死亡届は葬儀社による代行が可能ですので、まず葬儀社を決めて、死亡届の代行が可能か等について相談するのが賢明です。
役所に死亡届をする(葬儀社による代行も可能)
死亡を知った日から7日以内(国外にいる場合は3カ月以内) に、死亡届を死亡地、本籍地、住所地のいずれかの市区町村役所の戸籍・住民登録窓口に提出します。
その際、死亡診断書(または死体検案書)と届出人の印鑑が必要です。次に、死体火葬許可証を交付してもらいます。
このように、死亡届をしなければ、火葬許可証が受け取れないため、火葬することはできません。上記のように、死亡を知った日から7日以内となっていますが、実際には葬儀を行うためにすぐに提出する必要があります。
なお、この死亡届は葬儀社による代理届け出も可能となっています。この場合、届出人と代行者の印鑑が必要です。
ご逝去後の通夜、葬儀(告別式)、火葬、納骨の流れ
- 直葬(火葬式)の場合、通夜と告別式は行いません。
- 一日葬の場合、通夜は行いません。
- ご逝去後に、通夜、告別式、火葬を行うのは、家族葬と一般葬になります。
自宅や安置場所などへの搬送
病院で亡くなった場合、死亡の確認後、遺体は霊安室に移されます。その後、速やかにご遺体を別の場所に移動しなくてはなりません。ご遺体は個人で移動することもできますが、葬儀社へ依頼をして移動をしてもらいます。
病院から紹介された葬儀社について
この時、病院から紹介された葬儀社に葬儀を依頼することも多いのですが、それをお断りして他の葬儀社に依頼するのはいっこうに構いません。というのは、病院から紹介された葬儀社の費用を確認せずに葬儀まで行なった結果、高額の費用を請求されるという問題が起きて、それがトラブルの原因となることも多いからです。
しかし、遺族の側からすれば、病院から紹介された葬儀社を断るとしても、それに代わる優良な葬儀社をすぐに見つけられる時間的な余裕がない、というのが実情です。その結果、病院から紹介された葬儀社に依頼をせざるを得ないというのが現状となっています。
葬儀社との打ち合わせ
葬儀社と打ち合わせをする内容は、主に次のような内容です。
- 葬儀のサービス内容と葬儀の費用
- 葬儀の日程や斎場等の決定
- 葬儀に参列してもらう人・弔問客数の把握
- 僧侶などの宗教者の予定を確認
- 希望する斎場が使用できるかを確認
- 火葬場が使用できる日程の確認(逆算して葬儀の日程が決定する)
- 祭壇、仕出し、宿泊などの具体的な段取り
葬儀の日程等を親族・知人へ連絡する
葬儀の日程が決まったら、それらの旨を親族や知人に連絡します。どの程度の範囲に参列者を選ぶかという問題は、葬儀の規模にも関係しますので、まず葬儀の規模を決めるのが先決となります。
また、逆に、葬儀にお呼びする人の数で、葬儀の形態を決めることができます。家族や遺族、さらに少数の関係の深かった友人に限定する場合、それにふさわしい葬儀の形態は家族葬がふさわしいものとなります。そうではなく、会社関係や近隣者までお呼びする場合は、一般葬と云う葬儀形態がふさわしいものとなります。
直葬、一日葬について
なお、他の葬儀の形態として、直葬、一日葬がありますが、これらはいずれも、通夜を行いません。そして、直葬では火葬のみを行い、一日葬では告別式と火葬を行います。
なお、最近は、火葬のみを行う「直葬」を選ぶ人が増えています。この直葬のメリットは、葬儀費用が安価になる、通夜や告別式がないことでそれに要する打ち合わせや労力が不要になる、参列者に対する気遣いが少なくて済むなどで、その分、遺族が故人のお弔いに集中できることなどです。
通夜は、本来、夜を徹して死者の霊を弔う儀式
通夜とは、元々、親族や親しい知人が夜を徹して死者の霊を弔う儀式でした。しかし、現在では、僧侶が読経をし、弔問客がお焼香をした後に親族だけが残り、静かに死者を弔うのが一般的で「半通夜」とも呼ばれています。
どのように通夜を行うかは地域によって異なるため、その地域性を把握する必要があります。また、通夜を行わない地域もあります。
葬儀・告別式(例として仏式)
葬儀は親族や知人が故人の冥福を祈る儀式ですが、近年では、特定の宗教、宗派にとらわれない、所謂「無宗教葬」も増えてきました。
葬儀では、僧侶による読経と共に焼香を行い、葬儀委員長の挨拶、出棺、火葬を行います。告別式は告別(お別れ)の儀式で、出棺の際の献花などを行います。
火葬の条件
火葬をするためには、市町村の役所が発行した火葬許可証が必要です。また、焼香をするには、死亡時刻から24時間以上を経過していることが条件となります。
火葬が終了するまでおよそ1時間から2時間の間、遺族は食事などをしながら、火葬の終了を待ちます。
骨上げ・骨拾い
火葬の終了後、骨上げ・骨拾いをして骨壺に納めます。その後、火葬場から埋葬許可証を発行してもらいます。火葬が終わると、再度、斎場に戻り、遺骨と位牌を安置して、僧侶が還骨法要という読経をします。この時も参列者は焼香をし、その後、葬儀の終了となります。
精進落としの内容や礼儀
精進落としは、本来、四十九日の忌明けに精進料理から通常の食事に戻すことを言っていたのですが、現在は、葬儀が終わって遺族が僧侶や葬儀に関わった人たちをねぎらう宴席を意味するようになっています。
精進落としで振る舞う料理は、寿司やオードブル、お酒などが一般的です。しかし、地方によっては独特の異なる場合があります。
精進落としでは、まず喪主や遺族の代表者による挨拶が行われます。この挨拶では僧侶や参列者、世話役をしてくれた方々にお礼の言葉を述べます。食事をしている間、喪主は遺族とともに席を回って、参列者一人一人に直接お礼の言葉をかけるのが礼儀とされています。
納骨の時期
納骨は、火葬の後に骨壺に入れたお骨をお墓に収める儀式です。なお、納骨の期日に法的な規定はありません。しかし、お墓がある場合は、四十九日の法要に合わせて行う地域が多いようです。また、火葬を終えた当日に納骨する地域もあります。
葬儀の会葬御礼や香典返しについて
「会葬御礼」は、弔問に訪れた客に感謝をする意味で渡す品物のことです。その際、会葬礼状や清めの塩と一緒に渡すことが一般的に行われています。
また、「香典返し」は香典を包んでくれた方にお渡しする返礼品です。従来は、四十九日以降に納骨法要の報告とお礼を兼ねて渡すのが一般的でした。ただし、現代では、個別に渡す手間を省くために、即日返しも多くなりました。香典返しの品は、お香典の2分の1から3分の1程度の金額の品物を目安とするようですが、一律にする場合もあります。香典返しの品としては、食料品や日常品などが多く、最近ではカタログギフトなどを選ぶこともあります。
葬儀後にすべき手続き
(亡くなってから14日以内までに行う手続き)
年金受給停止の手続き
国民年金は死亡後の14日以内、その他の年金は死亡後速やかに、社会保険事務所または市区町村の国民年金課等の窓口で年金受給停止の手続を行います。その際、年金受給権者死亡届、年金証書または、除籍謄本などが必要となります。
世帯主の変更届・住民票の抹消
死亡から14日以内に、市区町村の戸籍・住民登録窓口で「世帯主の変更届・住民票の抹消」の手続きをします。その際、届出人の印鑑と免許証、パスポートなど本人を確認できる証明書類が必要となります。
健康保険資格喪失届
健康保険証は、本人が死亡した翌日から使えなくなります。死亡から14日以内に「健康保険資格喪失届」を行います。故人が国民健康保険の被保険者だった場合は「国民健康保険資格喪失届」、75歳以上であった場合は「後期高齢者医療資格喪失届」と、健康保険証等を市区町村役場の窓口に返却します。
介護保険資格喪失届
65歳以上または、40歳以上65歳未満で要介護認定を受けていた方が死亡した場合、死亡から14日以内に介護保険証などを持参のうえ市区町村の福祉課などの窓口で手続きをします。
死亡後に金融機関の口座は凍結されます
死亡した段階で預金は「相続財産」となり、遺産分割の対象となります。従って、故人の死亡が確認されると金融機関の口座は凍結されます。相続人が複数いる場合、相続人でない者が引き落とすとトラブルの原因になるからです。
しかし、故人の預貯金から葬儀費用等を支払う場合などでも、引き出しができないため、非常に困った事態になることがあります。金融機関によっては、事前に相談をすれば「法定相続人全員の同意を証明することで対応する」などで、便宜を図ってくれる場合があります。
ご逝去からの法的手続きと、葬儀後の手続き:まとめ
ご逝去から納骨までの法的手続きと葬儀後の手続きについて、この記事で詳しく解説しました。ご逝去後の不安や心配を解消するため、必要な手続きについて具体的に説明しました。
納骨までの手続きや葬儀後の手続きは、大切な人の最後のお別れを適切に行うために重要です。適切な法的手続きや手続きの順番を把握し、スムーズに進めることが大切です。
また、葬儀後の手続きには注意が必要であり、遺産の処理や遺言書の確認などを行うことも重要です。大切な人の最後の旅立ちを、思いやりと尊厳を持って支えることができるよう、必要な手続きを適切に行いましょう。
この記事が、ご逝去から納骨までの手続きに関する疑問や不安を解消し、読者の方々の役に立てれば幸いです。